ワザリング・ハイツ ~本館~

Something childish, but very natural.

南欧文学

イタロ・カルヴィーノ『冬の夜ひとりの旅人が』を読む

カルヴィーノと出逢ったのは大学院の文学理論についての授業であった。ポストモダンをテーマに掲げ、様々な文学理論がポストモダンから逆探知されてゆく授業の後半、具体的なポストモダン作品を読んでいこうと、5、6冊の小説をみなで読んでいった記憶がある…

『ウンガレッティ全詩集』を読む

けれどもあなたの民衆も ぼくのことも生み落としたのは 同じ土地 イタリアだ そしてあなたの兵隊と 同じ服を着て ぼくは休んでいる まるで父親の 揺り籠にいるみたいに(「イタリア」) 『ウンガレッティ全詩集』が岩波文庫から出るという夢のような出来事が…

ジュンパ・ラヒリ『べつの言葉で』を読む

『わたしのいるところ』は日本語で読み、その後In Other Wordsを英語で読んだ。とても平易な英語で書く作家だとわかり、『わたしのいるところ』のような作品であれば、その効果はこんなふうにうまくあらわれるのか、と興味深く感じた。静かな孤独を描きだし…

フェルナンド・ペソア『不穏の書』を読む

この次に、プラタ街から、ドウラドーレス街から、ファンケイロス街から消えてなくなるのは、この私だろう。明日、この私が。――感じ、考えているこの魂が。自分にとってこの宇宙すべてであるこの私が。――そうだ、明日これらの街並を通りすぎるのを止めるのは…