ワザリング・ハイツ ~本館~

Something childish, but very natural.

堀江敏幸『象が踏んでも』を読む

以前に別館で書いた『象が踏んでも』の記事を本館に移しました。

kandliterature.hateblo.jp

頼りになるのは誰か? 来るべき時間のなかでそんなふうに考えるのではなく、あのときの、あの言葉が励ましになっていたのだと心が回復したあとで納得するほうが、私には自然だと映る。立ち止まるのではなく、前に進みながら後ろを振り返る。そのときはじめて、自分といっしょにいてくれたものが、姿かたちのない言葉であったと理解できるからだ。

掛ける言葉、掛けられる言葉は無限にあるのに、救われたという感触をもたらすまで育っていく言葉は、じつに限られている。(「釣り針のような言葉」)