ワザリング・ハイツ ~本館~

Something childish, but very natural.

吉本ばなな『キッチン』を読む

別館で書いた吉本ばなな『キッチン』についての記事を本館に移しました。

kandliterature.hateblo.jp

ばななの語る物語は私たちの生活のリアルを鋭く捉えたものばかりである。わかりやすい、読みやすい、共感する、と言われてばかりのばななだが、だれかの心の叫びが“わかりやすく”語られたとき、あまりのなまなましさに思わず顔をそむけたくはならないだろうか――彼女の物語がもつ力はまさにそこにある。普段私たちが避けている真実を次々と突きつけ、私たち自身の脆さを内側から溢れさせる、つまりは“わかりやすく”することが、ばなな作品が文学たるゆえんなのであろう。